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トンカットアリはテストステロンを上げる?効果と限界を論文で検証【2026年最新】

2026.07.08 約11分で読めます
トンカットアリはテストステロンを上げる?効果と限界を論文で検証【2026年最新】

トンカットアリはテストステロンを上げる?効果と限界を論文で検証【2026年最新】

「マカは上がらないのに、トンカットアリは”本当に”上がるの?」——結論から言うと、こちらは様子が違います。 ただし「誰でも爆上げ」ではありません。何が本当で、どこに限界があるのか。証拠の強さつきで、正直に整理します。まず30秒で。

📋 この記事の結論(30秒でわかる)
📈

マカと違い、上昇の報告がある。複数のRCTとメタ分析で、トンカットアリ摂取後に総テストステロンの上昇が報告されています(ただし後述の通り”効く相手”は偏ります)。
🎯

ただし”効く相手”が偏る。効果がはっきりしやすいのは、主に低テストステロン・加齢・ストレスが高い人。健常で元気な若者で一律に上がるかは、別問題です。
🧪

“どのトンカットアリか”が重要。研究の多くは標準化された抽出(規格化エキス)を使用。市販品は品質・含有量の差が大きく、研究=市販品ではありません。
⚠️

長期の安全性データは限定的。持病・服薬中・妊娠授乳中は医師に相談を。過大広告にも注意してください。
効くこと・効く相手・限界を、証拠の強さつきで。この記事は情報提供で、診断ではありません。
「根拠レベル」の見方:確度が高い(メタ分析)確度が中(RCT・介入試験)関連の報告(小規模)参考程度

トンカットアリとは?”東南アジアの根”の実力

トンカットアリ(Eurycoma longifolia、別名ロングジャック)は、マレーシアやインドネシアに自生する低木のを用いる伝統的な素材です。現地では滋養目的で使われ、近年は「テストステロンブースター」として世界的に人気を集めています。

同じ「男性向けハーブ」でも、マカ(テストステロンは上がらない)とは事情が異なります。トンカットアリには、ホルモンの数値そのものが動いたという臨床報告が複数あるのです。ただし——後述の通り「誰でも」ではありません。

トンカットアリの”効き筋”(研究知見の整理)
トンカットアリ
規格化エキス
ストレス
コルチゾールが下がる方向
テストステロン
低T・加齢層で上昇の報告
疲労・QOL
に波及の報告
図:ストレス低下を介した経路が想定される、という一般的な整理(研究知見)。効果を保証するものではありません。

① メタ分析:総テストステロン上昇の報告がある

トンカットアリが「マカと違う」といえる最大の理由が、これです。

臨床試験を統合した系統的レビュー/メタ分析では、トンカットアリの摂取が総テストステロンの有意な上昇と関連したと報告されています 確度 高(Leisegang et al., 2022)。とくに低テストステロンの男性(性腺機能低下)でその傾向がはっきりしていました。著者らは「有望だが、臨床応用にはさらなる研究が必要」と、期待と慎重さを併記しています。

これは、ホルモンがまったく動かなかったマカとは対照的です。ただし「有意に上がった」=「誰でも劇的に上がる」ではない点に、すぐ触れておきます。

機序:なぜテストステロンが上がりうるのか

「上がった」という結果だけでなく、”なぜ”の部分にも研究があります。ここを知ると、トンカットアリが他のハーブと違う理由が見えてきます。

トンカットアリの根に最も多く含まれる有効成分は、eurycomanone(ユーリコマノン)という苦味成分(クアシノイド)です。基礎研究では、この成分が精巣のライディッヒ細胞でアロマターゼ(テストステロンをエストロゲンに変換する酵素)の働きを抑えることが報告されています 確度 関連(基礎研究)(Low et al., 2013)。テストステロンがエストロゲンへ”逃げていく”のを減らすことで、結果的にテストステロン側が保たれる、という筋書きです。

eurycomanone が提唱する経路
eurycomanone
根の主要クアシノイド
アロマターゼを抑制
T→エストロゲン変換↓
HPG軸にも作用
動物で精子形成↑
テストステロンが保たれる
特に低T側で
※基礎研究で提唱されている機序の一般的な説明。効果を保証するものではありません。

さらに、中程度のストレスを抱える人を対象にした試験では、規格化エキスの摂取でコルチゾール(ストレスホルモン)が低下し、唾液テストステロンが上昇、気分が改善したと報告されています 確度 中(RCT)(Talbott et al., 2013)。ストレスでテストステロンが押し下げられている人ほど、こうした経路が意味を持ちやすい、と考えられます。この点は、後述する「効く相手が偏る」という話ともつながります。

② “効く相手”が偏る——低T・加齢・ストレス

トンカットアリの効果がはっきり出やすいのは、そもそもテストステロンが低めの人です。

  • 加齢による男性ホルモン低下(LOH)の男性を対象にした試験で、規格化エキスの摂取後に血中テストステロンと自覚症状スコア(AMS)の改善が報告されています 確度 中(Tambi et al., 2012)。
  • 50〜70歳でテストステロンが低めの男性を対象にした12週間のRCTでも、規格化エキス(Physta®)で総テストステロンの上昇・疲労感の軽減・QOLの改善が報告されました 確度 中(Chinnappan et al., 2021)。
  • 中程度のストレスがある成人では、摂取によりコルチゾール(ストレスホルモン)が下がり、唾液テストステロンが上がる方向と、気分指標の改善が報告されています 確度 中(Talbott et al., 2013)。

つまり、「低い人が”戻る”方向」の報告が中心。健常でテストステロンが十分な若者が飲んで、さらに上乗せされるのかは、別問題として慎重に見るべきです。

“効いた報告”が多いのはどんな人か(研究対象の傾向)
低T・加齢・ストレス高

上昇の報告が中心

健常・若年・T十分

データが少なく不明

※研究対象の偏りを示す概念図(研究知見の一般化)。効果の大きさや効能を保証するものではありません。

③ “どのトンカットアリか”で別物になる

見落とされがちですが重要なのが品質・規格です。

上記の良好な報告の多くは、成分を標準化した規格化エキス(例:Physta®など)を用いています。一方、市販のトンカットアリは、産地・抽出方法・有効成分(エウリコマノン等)の含有量がバラバラで、なかには品質の低いものもあります。「研究で良い結果が出た=どの製品でも同じ」ではありません。規格・含有量が明記された製品を選ぶことが、最低限の前提になります。

トンカットアリの「根拠レベル」ざっくり
○〜◎ メタ分析あり(ただし主対象は低T・加齢層)
図:マカ(否定的)より根拠は強いが、対象が偏る・製品品質差が大きい・長期データが限定的、という位置づけ。

④ 注意点——”上がる”素材だからこそ慎重に

「効く報告がある」素材ほど、扱いには注意が要ります。

  • 長期の安全性データは限定的。数週間〜数か月の試験が中心で、年単位の安全性はよく分かっていません。
  • 持病(肝・腎・ホルモン関連)や服薬中の人、ホルモン療法中の人は、相互作用の可能性があるため必ず医師に相談を。
  • 妊娠・授乳中は避ける
  • 品質の低い製品では重金属汚染などの報告例もあり、信頼できるメーカー・第三者検査つきの製品が無難です。
  • まれに不眠・落ち着かなさ・消化器症状などが出ることがあります。合わなければ中止を。

「自然の素材だから安全」ではありません。効くかもしれない素材=体に作用しうる素材、という前提で慎重に。

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よくある質問(FAQ)

トンカットアリは本当にテストステロンを上げますか?

複数のRCTとメタ分析で総テストステロンの上昇が報告されており、マカよりは根拠があります。ただし効果がはっきりするのは主に低テストステロン・加齢・ストレスが高い人で、健常な若者で一律に上がるとは限りません。

健康な若い男性が飲んでも上がりますか?

そこは不確かです。良好な報告の多くは「もともと低め」の集団が対象で、十分にある人でさらに上乗せされるかは、データが少なく明確ではありません。

マカとトンカットアリ、どちらがいい?

テストステロンの数値という点では、トンカットアリの方が上昇の報告があります。マカはホルモンを動かさないため、目的が「テストステロン」ならトンカットアリ、という整理になります(ただし過大な期待は禁物)。

どれくらいの量・期間で報告されていますか?

研究では規格化エキスを1日あたり100〜200mg程度、数週間〜12週間といった条件が多く用いられています(効果・用法を保証するものではありません)。

副作用や飲み合わせは?

長期安全性は限定的で、持病・服薬中・ホルモン療法中・妊娠授乳中は医師に相談してください。品質差が大きいため、規格・含有量が明記され第三者検査のある製品を選ぶのが無難です。

まとめ

  • マカと違い、テストステロン上昇の報告がある(メタ分析でも有意)。ここが最大の違い。
  • ただし効く相手が偏る——低テストステロン・加齢・ストレスが高い人が中心。健常な若者で一律に上がるかは不明。
  • 規格化エキスかどうかで別物。市販品は品質・含有量の差が大きい。
  • 長期安全性は限定的、持病・服薬・妊娠授乳は医師相談。効く素材だからこそ慎重に。

関連:マカはテストステロンを上げる?(こちらは上がらない)/ テストステロンを上げる方法(土台は生活習慣)/ テストステロンが下がる原因

参考文献

  1. Leisegang K, et al. (2022) “Eurycoma longifolia (Jack) Improves Serum Total Testosterone in Men: A Systematic Review and Meta-Analysis of Clinical Trials.” Medicina (Kaunas) 58(8):1047. DOI: 10.3390/medicina58081047 — 5RCTのメタ分析で総テストステロンの有意な上昇、低T群で顕著。臨床応用にはさらなる研究が必要と付言。
  2. Tambi MIBM, et al. (2012) “Standardised water-soluble extract of Eurycoma longifolia, Tongkat ali, as testosterone booster for managing men with late-onset hypogonadism?” Andrologia 44(Suppl 1):226-230. PMID: 21671978 — 加齢男性の低テストステロンでAMSスコア・血清テストステロンが改善。
  3. Chinnappan SM, et al. (2021) “Effect of Eurycoma longifolia standardised aqueous root extract–Physta® on testosterone levels and quality of life in ageing male subjects: a randomised, double-blind, placebo-controlled multicentre study.” Food Nutr Res 65:5647. PMID: 34262417 — 50-70歳・低T男性で規格化エキス200mg×12週により総テストステロン上昇・疲労軽減・QOL改善。
  4. Talbott SM, et al. (2013) “Effect of Tongkat Ali on stress hormones and psychological mood state in moderately stressed subjects.” J Int Soc Sports Nutr 10:28. PMID: 23714297 — 中程度ストレス者で規格化エキス200mgによりコルチゾール低下・唾液テストステロン上昇・気分改善。
  5. Low BS, et al. (2013) “Eurycomanone, the major quassinoid in Eurycoma longifolia root extract increases spermatogenesis by inhibiting the activity of phosphodiesterase and aromatase in steroidogenesis.” J Ethnopharmacol 149(1):201-207. PMID: 23810842 — eurycomanoneがアロマターゼ・PDEを抑制しライディッヒ細胞のテストステロン産生を高める(基礎研究)。
  6. Henkel RR, et al. (2014) “Tongkat Ali as a potential herbal supplement for physically active male and female seniors—a pilot study.” Phytother Res 28(4):544-550. DOI: 10.1002/ptr.5017 — 57〜72歳の活動的な高齢者で規格化エキス400mg×5週により筋力向上。
  7. Chan KL, et al. (2021) “The effect of Eurycoma Longifolia on the regulation of reproductive hormones in young males.” Andrologia. DOI: 10.1111/and.14001 — 若年男性における生殖ホルモン調節の検討。
  8. (2020) “A 6-month, double-blind, placebo-controlled, randomized trial to evaluate the effect of Eurycoma longifolia and concurrent training on testosterone levels in androgen deficiency of aging males.” Maturitas 141:106-112. DOI: 10.1016/j.maturitas.2020.06.014 — 加齢男性で運動併用によりテストステロンが上昇。
男ラボ編集部
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